原子の構造と元素の表し方
前回、物質を構成するものは原子であると説明しました。
では、原子とはどのような構造をとっているのでしょうか?
今回は原子の構造について解説したいと思います。
原子の構造
原子は正に帯電した原子核と、その周りを取り巻く負に帯電した電子からできています。
また、原子核は正に帯電した陽子と電気的に中性な中性子から構成されています。*1
イオン化していない限り、原子核中の陽子と周囲に存在する電子の数は等しいので、原子は電気的に中性となります。
原子のイメージとしてはこんな感じですね。
(パワポで適当に作ったものなので正確ではないです)
(こっから少し余談)
さて、このイラストでは電子を雲として表現しました。
というのも、実は電子の位置って不確定で、観測しないとどこにあるかが分からないんですよね。
このイラストだったら、青色の電子雲のどこにでも電子が存在し得ます。
「じゃあ電子がどこにあるか全く分からないのか」と思うかもしれませんが、そういうわけでもないんです。
電子がよく観測される領域と、あまり観測されない領域があるんですね。
電子雲ではこれを濃淡で表現します。つまり、上図は原子核周りは電子が見つかる確率が高く、原子核から離れるほど電子は見つかりにくいという事を表しています。
元素の表し方
原子の構造については説明しました。
次に元素がどのようにして表されるかを説明します。
まず、元素には種類に応じてアルファベット1,2文字の元素記号が割り当てられています。*2
例えば、水素なら元素記号はH、塩素ならCl。
また、元素の種類は原子番号(Z)によって指定されます。
原子番号の数字は、原子核中の陽子の数または、中性原子の原子核周りの電子の数と同等です。
原子核中の陽子の数と中性子の数の和は質量数(A)と呼ばれます。
同一元素の原子が大量に存在するとき、その原子番号は必ず等しい、つまり陽子数と電子数はその場に存在するすべての原子で共通ですが、中には中性子数が他の原子と異なる原子が存在します。
このような原子を同位体と呼びます。
質量数は同位体を区別するために用いられることが多いです。
元素記号に対して原子番号と質量数を付けて表すとき、原子番号は元素記号の左下に、質量数は左上に書きます。
原子番号6、質量数12の炭素(C)を例に書くとこんな感じ。
ただまあ、元素記号が分かれば原子番号も決まるので、原子番号は大抵の場合省略されますし、質量数も同位体であることを強調するとき以外は書かないことが多いです。
まとめ
自分の中では理解できていても、人に分かりやすいように説明するのって難しいですね。これを機に説明する力を着けていきたいです。
次回は少し大学化学の範囲に入って、電子軌道と電子配置について説明します。